■現在の進捗
本工事は阪神港で岸壁等の調査・点検、補修工を行っています。
阪神港のうち神戸港の六甲アイランド、大阪港の夢洲が施工箇所になります。
施設の点検・調査を定期的に実施し補修することで、長く施設を使用することを目的としています。
また、阪神港は利用状況の多い港であり、国内船・国際船の両方が出入港する重要な港
となっています。船を停泊させコンテナの荷役作業ができないと物流が止まってしまいます。
そういったことを防ぐためにも日々点検を実施し、異常の有無を調査しています。
今月は毎月一回実施している「日常点検」、1年に一回実施している「一般定期点検診断」、
「その他計測工」を実施しました。
日常点検は岸壁施設の供用状態、船舶などからの過大な衝撃を受けた形跡がないか、
附帯施設(防舷材、車止め、安全柵)(下図「コンテナターミナル断面図」参照)や
ケーソンのコンクリートに異常がないか確認、記録します。
異常があった個所は記録・報告し、今後の補修等について発注者と協議します。
<コンテナターミナル断面図>
<点検状況>
<点検状況(陸上から)>
一般定期点検診断は陸上目視調査を行いました。
陸上目視調査は、護岸の法線、ケーソンのコンクリートの劣化状況、シャーシが走行する
アスファルト舗装部分の劣化状況の調査、付帯施設の劣化状況の調査を実施します。
付帯施設の劣化状況は毎月の日常点検でも実施しますが、より詳細な点検を実施しました。
■港湾施設について
港湾のターミナル内で働く関係者だけでもいくつもの役割があり、大勢の人が働いています。
港湾管理者は港湾計画の策定、港湾の開発、利用及び保全の観点から必要な管理・運営や
港湾工事等を行っています。
そして、港湾を利用して貨物や旅客を海上運送する会社である船社がいます。
船社は積み下ろしの量が一定以上確保できること、船舶の大型化への対応、港湾の利用費用、
着岸・荷役に要する時間、入出港の安全性等を考慮して使用する港を決めます。
そのほかにはターミナルオペレーター、港湾運送事業者、フォワーダー、その他事業者
(水先人、タグ、綱とり・綱はなし)、港長(海上保安庁)、CIQ(税関、出入国管理、検疫の略)が作業し、
船舶の出入りを管理し、荷役作業を行っています。
近代化に伴い荷物のコンテナ化が進み現在は船内荷役と港湾荷役が一体となって作業を行っています。
荷物が一定の規格のコンテナになることで、積み込み時の安全性向上、荷役作業の効率化、
運搬量の増加等の効果がありました。
これはコンテナ革命(コンテナリゼーション)とも呼ばれ、国際貿易を飛躍的に進歩させ、
輸送グローバル化に繋がりました。