8月度は毎月の日常点検に加え、詳細定期点検診断を実施しました。
港湾施設の重要度で異なりますが、一般的に維持管理計画に基づき、
一般定期点検診断が5年以内に1回に対して詳細定期点検診断は10~15年に1回の頻度で行われます。
また、日常の点検は部材の変状等がないかを調べるに留まりますが、
点検診断はあらかじめ定めた項目及び方法による点検を行い、劣化度を診断するものになります。
今回の詳細定期点検診断では、潜水調査による桟橋下部工(鋼管杭)、電気防食工(陽極)、
土留護岸(ケーソン)、海底地盤の調査を実施しました。
今回の調査個所はジャケット式桟橋で、鋼管杭に鋼製のジャケットをかぶせて
グラウト材や溶接で一体化した桟橋です。
今回はこの鋼管杭に変状がないか、電気防食の機能に問題がないか等を潜水調査で確認しました。
<測定個所断面図>
<潜水調査状況>
<電気防食調査状況>
- 電気防食とは
株式会社ナカボーテックHPより
(https://www.nakabohtec.co.jp/jigyo/marineCathodic.html)
今回の点検箇所は、鋼管杭にアルミニウム合金が取り付けられており、
アルミニウム合金と鋼管杭の電位差によりアルミニウム合金が優先的に腐食することで
鋼管杭の腐食を防いでいます(電流陽極方式)。
また、アルミニウム合金を取り付けることによる防食は、日常的な維持の手間がかからず、
また点検時に腐食の程度がわかりやすいという利点があります。