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阪神港貸付国有港湾施設維持補修工事等

五洋建設株式会社

工事レポート

2025年 10月 07日

2025年9月度

9月度は日常点検に加え、8月度に引き続き詳細定期診断を実施しました。

今月は桟橋上部工コンクリートのコア削孔を行いました。

採取したコアの成分を分析することでコンクリートの塩化物含有量を確認します。

その結果、コンクリートが中性化によりどの程度劣化しているかを確認することができます。

コンクリートの中性化とは、アルカリ性であるコンクリート内部が大気中の二酸化炭素等を吸収し、

セメント水和物と反応することによりコンクリート内部のPHが下がることです。

この中性化が進むと鉄筋表面の不働態被膜が破壊され、鉄筋の腐食が進行し、

構造物の劣化につながります。

<削孔したコンクリートコア>

 

■コンテナターミナルから陸上への運搬について

積荷はコンテナターミナルで船からトレーラー等に積み替えたのち、陸上を運搬します。

このような陸上の物流を支えるインフラとして橋梁やトンネルがあります。

大阪港の物流の大動脈の一つとして夢咲トンネルがあります。

このトンネルは大阪港の夢洲と咲洲をつなぐ2.1kmのトンネルで、

海底部の約0.8kmについては沈埋函と呼ばれる鋼材とコンクリートを複合させて制作した箱を

海底に沈めた沈埋トンネルになります。

夢洲-咲洲間の移動が内陸部から回り込み24kmかかっていたところ、

トンネルが開通したことで6kmに短縮され、夢洲と咲洲の埠頭間のアクセスと

周辺住民の交通アクセスは大幅に改善されました。

また、夢咲トンネルのほかに咲洲と内陸部を結ぶ咲洲トンネルがあります。

咲洲トンネルは弊社の特許であるくさび形ブロックの最終接合函の活用(Vブロック工法)の

採用第一号のトンネルでもあります。

このVブロック工法は海水による水圧を利用した工法で、

「浴槽の排水口の栓は水圧でぴたっとはまる。これと同様の原理で施工できないか」という

着眼点から試験施工ののちに採用されました。

このVブロック工法により施工の安全性の向上、工期の大幅な短縮に繋がりました。

 

五洋建設HP 「創業125周年を迎えて プロジェクトストーリー」

https://www.penta-ocean.co.jp/125/index_pjs.html

03 沈埋トンネルの技術開発 ~ひらめきを形に  2023年5月29日公開