今月度は六甲RC-2バースの一般定期点検診断(ケーソン・ホロー桁下)の点検を実施しました。
ホロー桁下の点検になるため、潜水士が桟橋下に入って点検を行います。
ケーソンはコンクリートの劣化やケーソン間の目地の開きを点検します。
また、ホロー桁はプレキャストコンクリートにPC鋼材が入っている構造になっており、
そのプレキャストの表面のひび割れの有無を点検しました。


■神戸港の桟橋について
阪神淡路大震災(1995年)により神戸港の80%以上の係留施設が使用不能となりました。
しかし、神戸港が使用不可となると多大な影響が出るため、
応急復旧工事として護岸のせり出し・移動によって陥没したエプロン部や護岸の隙間を土砂で埋め、
重機などを使用して整正するという作業を24時間施工し各バースが順次使用可能な状態になりました。
神戸港のほとんどが重力式構造のケーソンであったため、地震によりケーソンの前面への移動や
護岸前面の地滑りが発生し、背面地の被災・液状化を引き起こしました。

その対策として、被災した施設前面にケーソン・鋼管矢板および桟橋等を増設、
護岸全体の安定性を増すため前面を地盤改良、背面土に軽量材である
高炉水硬性スラグを使用し土圧軽減、摩擦増大マットの敷設によるケーソンの移動防止等を行いました。
(土木学会「阪神・淡路大震災による重力式港湾構造物の基礎地盤部の変形」引用)
大型の船の出入りがあるため護岸の形を大きく変えたり、張り出し部への大きな改変は
難しいということで、耐震性の高い護岸にするためにこのような対策を実施しました。
