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阪神港貸付国有港湾施設維持補修工事等

五洋建設株式会社

工事レポート

2025年 10月 30日

2025年10月度

今月度は六甲RC-2バースの一般定期点検診断(ケーソン・ホロー桁下)の点検を実施しました。

ホロー桁下の点検になるため、潜水士が桟橋下に入って点検を行います。

ケーソンはコンクリートの劣化やケーソン間の目地の開きを点検します。

また、ホロー桁はプレキャストコンクリートにPC鋼材が入っている構造になっており、

そのプレキャストの表面のひび割れの有無を点検しました。

 

 

■神戸港の桟橋について

阪神淡路大震災(1995年)により神戸港の80%以上の係留施設が使用不能となりました。

しかし、神戸港が使用不可となると多大な影響が出るため、

応急復旧工事として護岸のせり出し・移動によって陥没したエプロン部や護岸の隙間を土砂で埋め、

重機などを使用して整正するという作業を24時間施工し各バースが順次使用可能な状態になりました。

神戸港のほとんどが重力式構造のケーソンであったため、地震によりケーソンの前面への移動や

護岸前面の地滑りが発生し、背面地の被災・液状化を引き起こしました。

 

 

その対策として、被災した施設前面にケーソン・鋼管矢板および桟橋等を増設、

護岸全体の安定性を増すため前面を地盤改良、背面土に軽量材である

高炉水硬性スラグを使用し土圧軽減、摩擦増大マットの敷設によるケーソンの移動防止等を行いました。

(土木学会「阪神・淡路大震災による重力式港湾構造物の基礎地盤部の変形」引用)

 

大型の船の出入りがあるため護岸の形を大きく変えたり、張り出し部への大きな改変は

難しいということで、耐震性の高い護岸にするためにこのような対策を実施しました。