10月は土質試験結果に基づいたカルシア改質土の特性についてご紹介いたします。
較弱浚渫土の強度改善を図り、長期耐久性も確保できるため、圧密沈下や液状化対策に有効です。
また有害物質溶出や汚濁発生の防止・抑制や、施工時における法面形成も可能です。
このような特徴を活かして、埋立材や中仕切り、堤護材岸裏埋材、航路埋没対策の潜堤材など
港湾工事で広く適用が可能であり、工期の短縮とコストの縮減が期待できます。
【フロー試験】
当現場でのフロー試験の結果より、浚渫土とカルシア改質土の流動性の違いがわかります。
浚渫土は流動性があり、直径が15cm以上になりますが、
カルシア材を投入後、混合することによって固まり、流動性が低くなります。
このように、浚渫土はカルシア材と混ぜることで固まり、
海底の潜堤材として利用することができ、また、投入時の濁りを抑制する効果があります。
■試験前(8cmの筒に試料を入れた状況)
■試験後(8cmの筒を抜いた状況)
【濁度試験】
以下の実験で濁り抑制の効果を確認することができます。
浚渫土とカルシア改質土を同時に水中投入し、多項目水質計により濁度を計測します。
■試料投入中
■濁度計測中
水の濁り方は目で見ても明白ですが、
実際に濁度を計測してみても浚渫土が61.6NTUに対して、
カルシア改質土は5.4NTUと濁りの状態は1/10以下という結果になりました。
この結果からわかるように、カルシア改質土は濁りの発生を抑制し、土砂投入を行うことが可能です。