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大江ふ頭改良工事(その2) 現場紹介ホームページ

五洋建設(株)・徳倉建設(株)・(株)小島組JOINT VENTURE

工事レポート

2016年 11月 28日

2016年11月の工事写真①

10月下旬にスリーブ工が終了し、11月上旬からエコシリカ注入工を開始しました
(改良球数2,634球、球直径2,420㎜、1球当たり注入量3,006ℓ、注入率40.5%)。

主な施工順序は「注入ホース建て込み→注入完了後、1段上の注入位置にステップ→最上段まで注入完了後、別の穴へ注入ホース移動・建て込み」です。
エコシリカ注入図 (修正)s

まず、エコシリカミキサーで4種類の材料と水を以下の流れで配合し、薬液のエコシリカⅢを作成します。
各材料は毎日タンクローリーで搬入し、専用のタンクに保管しています。
これらはエコシリカⅢの品質に大きく影響するため、材料搬入時には比重と搬入量を確認し、配合に使用する水は水道水を使用します。
材料配合フロー図 (修正)s

エコシリカミキサー

エコシリカミキサー

材料タンク

作成されたエコシリカⅢはスリーブ注入工と同様、インジェクションポンプで注入ホース先端へと送られます。
この時の注入圧力、注入速度は流量計で測定され、集中管理室で管理しています。
当現場は砂地盤なので注入形態は浸透注入ですが、注入速度が過大になると割裂注入となり、割裂面に薬液が集中するため均質な改良体が形成できません。
そこで、注入開始前に限界注入速度試験(Qcr試験)を行い、浸透注入から割裂注入へと推移する点を最大注入速度・最大注入圧力とします。
実際の施工では最大注入速度・最大注入圧力以下の速度・圧力で注入します。
※浸透注入:土粒子構造を崩すことなく間隙水と薬液を置換する注入形態
※割裂注入:地盤内に割裂が生じ、薬液が脈状に注入される注入形態

続いて、決定した注入速度から1球当たりの注入時間を算出し、ゲルタイムを決定します。ゲルタイムとは、薬液が地盤内に注入されてから固結するまでに要する時間です。
ゲルタイムは事前配合試験結果を基に、注入時間より少し短く決定します。ゲルタイムが注入時間より短すぎる場合、強度は発現しますが早く固結するため改良径が小さくなり、地盤に未改良部分が残る可能性があります。
逆にゲルタイムが注入時間より長すぎる場合、固結するまでが遅いので注入後半の薬液が沈降し、その過程で間隙水により希釈され低強度の改良体が形成される可能性があります。
そのため、ゲルタイムは注入時間とほぼ同じになるよう管理することが重要となります。

エコシリカ注入全景

その他、日々の管理項目として、注入圧力・速度・量、エコシリカⅢのpHと比重、観測井戸・海水・排水のpH、上部工の地盤高測定などがあります。

薬液のpHと比重

1611-1-05

観測井戸pH

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海水pH

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排水pH(中和処理タンク)

上部工地盤高

上部工地盤高