9月末から浸透固化処理工が始まりました(削孔本数1,114本、改良球数2,364球、球の直径2,420mm)。
浸透固化とは、土粒子間の間隙水と浸透注入した薬液を置換することで地盤の透水性を低下させ、地盤に粘着力を付与して一体化したサンドゲルを形成させる液状化対策工法です。
薬液に使用されるエコシリカⅢは、水ガラス(ケイ酸ナトリウム水溶液)から劣化成分(ナトリウムイオン)を極力取り除いた特殊シリカ(酸性)を主材料としているため、固結後の溶出成分が少なく耐久性に優れている上、浸透する過程で土中のアルカリ分と反応し、中性付近で固結するため、環境に優しい注入材です。
浸透固化処理工の大まかな施工順序は、
「事前室内配合試験 → 削孔工 → スリーブ注入工 → 薬液注入工」
で、施工範囲は以下の通りです。
※施工順序はこちらからご覧になれます。
なお、陸側の2列(図面の青色)は既設控上部工の下部に改良体を作成するため
「斜め削孔」、その他8列(図面の赤色)は「鉛直削孔」で施工します。
まず浸透固化処理工の施工にあたり、9月末に室内配合試験を行いました
(供試体作成日:8月末)。
室内配合試験における一軸圧縮試験・シリカ含有量試験結果をもとに、目標強度200kN/㎡を満足する薬液濃度を決定しました。
また、土中ゲルタイム試験を行い、薬液が地盤内に注入されてから固結するまでの
時間を調べました。
一方、薬液の注入中は周辺環境に影響が無いか確認しなければなりません。
そこで9月末、薬液の地下水への流出を監視するため、観測井戸として2箇所に
削孔ストレーナー管を建て込みました(ストレーナー部:改良範囲上下端各+1m)。
監視項目はpH(水素イオン濃度)、基準値はpH5.8~8.6です。

削孔ストレーナー管建て込み

採水