4月上旬には、鋼管杭打設に使用した200tクローラークレーンと120tクローラークレーンを順に解体・搬出しました。
クレーンの解体作業では手指を挟まれる災害や高所からの転落災害が予想されたため、クレーンオペレーターの見込み運転禁止や大きくはっきりとした合図と応答確認、親綱設置と安全帯の使用等を徹底しました。

200tクローラークレーンの解体の様子。

120tクローラークレーンの解体の様子。
控え鋼管杭打設工の終了後、控上部工を開始しました(天端高N.P.+2.5m、幅2.5m、高さ2.0m、延長49.914m)。
まず鋼管杭内の土砂を掘り下げ、打設するコンクリートが杭の内側に漏洩しないように杭内に吊型枠を設置します(N.P.+0.5m、17基)。
そのあと床付けを行い、鋼管杭打設によって多少盛り上がった杭周辺の地盤を掘り下げ、均しコンクリートを打設しました(配合18-8-25BB)。

吊型枠の設置が完了しました。

床付け(既定の深さまで掘り終えた後、綺麗に整形する作業)の様子。

以降の作業のため、均しコンクリートを打設しています。
次に、鋼管杭をガス切断してタイロッドの一部を設置しました。
タイロッドは、2月に撤去したタイワイヤーに替わり、鋼管矢板を支える役割があります。
なお、タイロッドと鋼管杭が接すると両者が電気的に接続されて鋼管杭が錆びてしまうので、タイロッドの周りに目地材を巻き、絶縁してから設置しました。
鉄筋と型枠はあらかじめ陸上にて大組(大まかに組んでおくこと)し、クレーンで吊り上げて建て込みます。つま枠(施工の継ぎ目となる部分の型枠)は中心が正しいことを光波で確認しながら建て込みました。また、鉄筋は搬入時に規格通りの鉄筋であること・形状寸法が正しいことをしっかりと確認し、建て込み後は配筋出来形を確認しました。
配筋出来形は以下の項目を確認しました。
- ピッチ(±φ以内)・かぶり(±φ以内)・継手長(設計以上)・溶接長(100mm以上)・スペーサーの個数(2個/m2)

型枠を組み立てている様子。

規格通りの鉄筋が搬入されているかどうか、きちんと確認。

大組した鉄筋を、クレーンで吊り上げて運びます。

最後はしっかりと、所定の位置で鉄筋を組み立てて、固定します。
続いてコンクリート打設です。コンクリートの配合は30-21-20BB、打設量は250m3。幅2.5m、高さ2.0m、延長49.914mの部分に、コンクリートを打ち込んでいきます。
はじめにコンクリート試験(単位含水量除く)を実施し、搬入した生コンの品質を確認しました(スランプ21±1.5cm、コンクリート温度5~35℃、塩分濃度0.3kg/m3以下、空気量4.5±1.5%)。

コンクリートの品質試験の様子。
また、生コン車の出発時刻~打設完了時刻が基準内に収まるよう管理しました。
外気温が25度以下の場合は2.0時間以内、外気温が25度を超える場合は1.5時間以内という基準があります。
さらに工程短縮の工夫として、σ7付近で設計強度の24N/mm2を上回るために呼び強度が30N/mm2である配合の生コンを打設しました。これにより、σ28の結果を待つことなく二次埋戻しを実施できました。

コンクリートを打設していきます。